日本企業の海外企業買収。最近うんともすんとも聞きませんよね。
去年あたりまでは、業績好調によるキャッシュフローにモノを言わせて、多くの日本企業が海外企業を買収していましたが、その後どうなったんでしょうか。。
ワタクシの所属する会社でもご多分に漏れずでいろいろ物色して、それなりに買ってたんじゃないかな。。グローバルな日系製造業なんかはその比ではなく、買えば買うほど売り上げ・利益ともに単純連結され、右肩上がりの業績に見えていたと思います。
ですがたいていの日本企業は買収するだけして、その後経営の仕組みや会計システム、評価指標なんかを移植・統一することなく、「いったん今まで通りとする」ような対応を取っています。
これまでの経営陣を変えることもなくステイとしたんですね。
それでいてシナジー効果を出すとか言っているんですが、これ、まぁなんというかお粗末で、買収された側からすれば、「確かに日本企業に買収されたけどSo What?何が変わったの?」「一度だけ日本から役員みたいな人が来たけど、、なんだか会議室で日本人同士で話して終わってたよ。」といった声がちらほら。。。
で、それだけで終わればまだましなんですがそうはいかず、たいていのケースで優秀な人材が抜けていき、業績悪化が顕著になり、連結財務諸表にまで影響することに。。
聞いた話だと、社内公用語に英語を指定した楽天ですら、ベラルーシのバイバーを買収した後ほとんど手を入れることなく、彼らからすればまさにSoWhat?と言った状態。
そしてそうした波がどの企業でも膨らんで、2019年度決算あたりで隠し切れなくなると。。予見します。
でも不思議ですよね。どうして日本人経営者はトップダウンで物事を進められないのか。
どうして自社の仕組みを海外企業にさっさと移植しないのか?
これには、よき調整役がTopになっていくという、日本特有の評価システムがあります。
つまり、課長・部長・役員・社長になるにつれ、対象が多くなったり見る範囲が広がったりはするものの、結局はよい調整役ほどありがたがられ、評価され、昇進していくということ。
そしてさらに、実は日本の経営者は、(大きな声では言えませんが)まともに勉強していないという事実も。。
例えば
経営者の中でMBAホルダーはどれくらいいるでしょうか?
CFOと称している方で、公認会計士や税理士の資格を持つ人はどれくらいいるでしょうか?
CIOと称している人で、コンピュータサイエンスを理解している人がどれだけいるでしょうか?
みんなゼネラリスト的な育ち方をして、あるタイミングでポンとその責について「私は営業出身でしたので、ITのことはよくわからないんです」とか平気で言う。。
同じくで買収担当役員も、経営から「とにかく買収しろ」とミッションを与えられ、「とにかく買収した」けど、その後のことは現場任せで結局意味不明状態だったりします。。っていうか英語しゃべれる役員がどれだけいるのか?と言うことですよね。想像に難くありません。
もっと全体でレベルを上げていかないと、どんどんたちゆかなくなっちゃいますね。